日本の医療マンガ50年史
医療マンガレビュー

『Graphic Medicine Manifesto』
『グラフィック・メディスン・マニフェスト――マンガで医療が変わる』日本語翻訳版あり

グラフィック・メディスンの理論と実践

『Graphic Medicine Manifesto』<br>『グラフィック・メディスン・マニフェスト――マンガで医療が変わる』日本語翻訳版あり
キーワード
グラフィック・メディスンの理論と実践
作者
MK・サーウィック 他
作品
Publication Date:2015年
Publisher:Penn State University Press

※「初出」は単行本のクレジットに基づいています。

 2007年からスタートしたグラフィック・メディスンの中心メンバーによる理論と実践の基本図書であり、医療人文学の成果となる専門書である(マンガも用いられているが、マンガ作品ではない)。グラフィック・メディスンという新しい運動がどのような背景から、何を目指して発足したのかがマニフェストとして示されている。マンガを通して医療を取り巻く環境を変革しようとするグラフィック・メディスンの思想、具体的な実践方法が盛り込まれている。「一般患者」としての概念ではなく、「個」の症例に向き合う姿勢を示す運動であり、言葉では捉えきれない繊細な領域をヴィジュアル表現で捉えようとする試みである。さらに、日本の医療およびマンガ文化を取り巻く土壌で、どのようにこの概念を応用できるかが新たな課題となるであろう。

【執筆者プロフィール】

中垣 恒太郎(なかがき こうたろう)
専修大学文学部英語英米文学科教授。アメリカ文学・比較メディア文化研究専攻。日本グラフィック・メディスン協会、日本マンガ学会海外マンガ交流部会、女性MANGA研究プロジェクトなどに参加。文学的想像力の応用可能性の観点から「医療マンガ」、「グラフィック・メモワール」に関心を寄せています。