家族の死/肺がん
- キーワード
- 家族の死/肺がん
- 作者
- ブライアン・フィース
- 作品
- Publication Date:2006年
Publisher:Abrams
※「初出」は単行本のクレジットに基づいています。
肺がんにかかった60代の母親をめぐり、長男の作者、看護師の妹など家族のそれぞれが病気に対して、いかに向き合うかをめぐる回想録である。本人のみならず家族にとっても、それまでの日常のあり方が病気によって大きく変容を迫られるなか、日々の病状の変化に一喜一憂しながら、それぞれの思惑がすれ違ってしまう様子を丁寧に描いている。アイズナー賞に新設されたデジタルコミック部門を受賞していることからも、ウェブ媒体での発表の際から評判を呼び、医療者教育の教材としても多く用いられている。日本でも、愛知県がんセンター緩和ケア病棟主催による読書感想文コンクールにて2019年から課題図書に設定されており、中高生からも鋭く多彩な考察が寄せられている。家族のケアという観点をめぐり、同じ作品の一場面からでもさまざまな視点からの考察が可能となるグラフィック・メディスンの代表作である。