摂食障害
- キーワード
- 摂食障害
- 作者
- ケイティ・グリーン
- 作品
- Publication Date:2017年
Publisher:Oni Press
※「初出」は単行本のクレジットに基づいています。
南西イングランド在住の作家による回想録。幼少期の回想からはじまり、家族の食卓の光景、学校での昼食の一コマなどが再現される。ケイティは食べ物の好き嫌いが激しかったが、それ自体は子どもにはめずらしいことでもない。しかしながら、やがて思春期を迎える頃になると、彼女は摂食障害、身体醜形障害を抱えるようになる。身体醜形障害、醜形恐怖症は、自身の身体や容貌が醜く映ってしまう自己認識の歪みによる疾患であり、強迫性障害と関連づけられる。摂食障害を併発することが多く、ケイティは「影よりも軽い」のではないかと思われるほど痩せている。食べること、自身の姿を鏡で見ることに対する不安や嫌悪を抱えた心象風景がヴィジュアル表現で示されている。まわりから見ればどこにでもいる「普通」の女の子がこの疾患によりどのような問題を抱えこんでしまうのかを効果的に伝えている。500頁を超える長編を通して、その後、回復に至るまでが描かれる。