高齢化(介護と「終活」)
- キーワード
- 高齢化(介護と「終活」)
- 作者
- ロズ・チャスト
- 作品
- Publication Date:2014年
Publisher:Bloomsbury
※「初出」は単行本のクレジットに基づいています。
定評ある文芸誌『ザ・ニューヨーカー』にて長年にわたりマンガを寄稿してきた作者による両親にまつわる回想録。作者自身の幼少期の想い出を交えながら、高齢となった両親との8年におよぶやりとりを描く。一人っ子である作者は離れて住む両親を定期的に訪ねていたが、いよいよ生活もままならなくなった彼らに高齢者施設への入居を勧めても、死や介護にまつわる話題自体、受け入れようとしてくれない。なんとか施設に移ってもらえて以降も、すぐになじめない両親に寄り添いながら「終活」のあり方を共に探っていく奮闘ぶりがユーモラスに描かれている(父親が95歳、母親は97歳の時に死別)。全米批評家協会賞の自伝部門を受賞するなど、きわめて高い評価を得ており、文章や写真を織り交ぜた作品であることからも幅広い読者層を誇る。高齢化した両親との向きあい方、娘から見た両親との関係性と、その回想録としての見地など読みどころに満ちている。